労働者協同組合と高年法

<ポイント>

①改正高年法で想定される有償ボランティアは労働者協同組合になじむ存在か

②あくまで一県庁の回答ではあるが、結論はグレー

③2つの法律間で「従事」ということばの定義が異なっている

最近改正された高年法(高年齢者雇用安定法)の目玉は65歳から70歳までの層の就業機会確保である。

興味深いポイントは、全てが「雇用」でなくてよいこと。

就業確保措置として挙げられているものの中に、

高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

に従事できる制度の導入というものがあり、QAなどを読むと、いわゆる有償ボランティアとしての従事も想定しているようだ。

一方、労働者協同組合法では、

「事業に従事」する者とは「雇用」契約を結ばなければならないとある。

そこで、労働者協同組合法の「事業に従事」の定義を確認し、有償ボランティアの存在が認められるのか問合せることにした。

今我々の見ることができるQAにはその答えはないからである。

なお厚生労働省所管の法律ではあるが、窓口は労働局ではなく県庁の雇用関係部署である。

さすがに私の問合せに対し即答はいただけず10日ほど時間を要した。

厚生労働本省などにも問合せた結果としての担当者の回答は、

私の一番知りたいことである有償ボランティアの存在は「ダメとはいえない」というものだった。

また、労働者協同組合法第8条を引き合いに出された。

総組合員の5分の4以上の数の組合員は、組合の行う事業に従事しなければならない。 組合の行う事業に従事する者の4分の3以上は、組合員でなければならない(第8条)

私は再三この問題に結論を出すためには「事業に従事」の定義を明確にしないといけないのでは?と指摘していたのだが、明確な回答はいただけなかった。

2つの法律の「従事」の概念を対比させてみると

・高年法:雇用以外の形態も含む考え方

・労働者協同組合法:原則雇用(と思われる)

と見事に定義が異なっているのだ。

よって、労働者協同組合法における「事業に従事」には有償ボランティアは含まないとでもしないと整合性がとれなくなる。

法によって同じことばでも定義が異なるのは、例えば「労働者」の概念が労基法と労組法では異なるなど、まさにあるあるであるが、

それでよいか否かは結論が出なかった。

また、そもそも何故この問題が気になるかというと、労働者協同組合は、もともとNPO法人からの移行も想定している。

そしてNPO活動には有償ボランティアの存在はつきものだからである。

いずれ本省のQAに明確に示されることを望みたい